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最高裁判所第一小法廷 昭和45年(ク)191号 決定 1970年9月29日

当事者 抗告人 菊池五郎<ほか四名>

右五名代理人弁護士 坂本修<ほか三四名>

主文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人らの負担とする。

理由

抗告代理人坂本修外三四名の抗告理由第一点について。

所論は原決定の違憲(憲法三二条違反)をいうが、憲法三二条の趣旨は、凡て国民は憲法又は法律に定められた裁判所においてのみ裁判を受ける権利を有し、裁判所以外の機関によって裁判されることはないことを保障したものであることは、当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第五一二号同二四年三月二三日大法廷判決、刑集三巻三号三五二頁参照)とするところであり、原決定のこの点に関する判断は、右判例の趣旨に徴し、何ら右憲法の法条に違反するものではなく、所論違憲の主張は理由がない。

同第二、第三点について。

論旨は、違憲をいうが、その実質は、原決定の単なる法令違背を主張するにすぎないものであって、採用に値しない。

同第四点について。

所論の採用し難いことは、以上述べたとおりであって、本件論旨は、いずれも排斥を免れない。

よって、本件抗告を棄却し、抗告費用は抗告人らに負担させることとし、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 長部謹吾 裁判官 入江俊郎 岩田誠 大隅健一郎)

抗告代理人坂本修ほか三四名の抗告理由<省略>

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